胃もたれや腹痛が続く人へ!内視鏡検査で原因を特定しよう

医師

胃もたれや腹痛といった不調が続くと、単なる疲れや食べすぎとは異なる可能性も考えられ、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。こうした消化器系の症状の原因を明確にするために重要な検査が内視鏡検査です。このページでは、胃もたれや腹痛の背後にある疾患と、それを見極めるための内視鏡検査について詳しく解説します。

内視鏡検査とは? 体の中を直接観察できる検査

内視鏡検査とは、細長いスコープの先端にカメラと光源を備えた医療機器を使って、体内の消化管を直接観察する検査です。上部消化管用の胃カメラ、大腸用の大腸カメラが代表的で、それぞれ口や鼻、あるいは肛門からスコープを挿入して粘膜の状態を映像で確認します。

この検査により、肉眼では見えないような小さな潰瘍や炎症、ポリープ、がんの兆候まで見つけることができます。さらに、必要に応じて異常部位の組織を一部採取して、顕微鏡で詳細に調べることも可能です。これにより、病気の早期発見と早期治療が現実のものとなります。

胃もたれや腹痛が続くときに考えられる病気

胃もたれが長引く背景には、慢性胃炎、機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)、逆流性食道炎、胃潰瘍、胃がんなどの疾患が考えられます。一方、腹痛の原因としては過敏性腸症候群、腸炎、ポリープ、大腸がんなどが挙げられます。

これらの疾患は、初期段階では共通した軽微な症状が現れるため、症状だけで判断するのは困難です。特に40代以降では胃がんや大腸がんのリスクが高まるため、「たかが胃もたれ」「よくある腹痛」と見過ごさず、内視鏡検査で正確に診断することが重要です。

内視鏡検査を受けるべきタイミングとは

胃もたれや腹痛が2〜4週間以上続く、あるいは症状が再発を繰り返す場合には、医療機関の受診と内視鏡検査の検討が必要です。また、食欲低下、急な体重減少、貧血、吐血や下血(黒い便)といった症状が併発する場合は、早急な検査が求められます。

定期的な健康診断で異常が見つかった場合も、内視鏡による精密検査が必要になるケースがあります。近年は検査機器や手技の進化により、以前よりも苦痛が少なく受けられるようになっています。

安心して検査を受けるために

内視鏡検査は、かつては「苦しい」「怖い」といったイメージを持たれがちでしたが、現在では鎮静剤を使って眠っている間に検査を受けることが可能です。また、鼻から挿入する経鼻内視鏡では嘔吐反射も少なく、会話も可能なほど負担が軽減されます。

加えて、検査時間も短く、日帰りで受けられる施設が増えており、検査後すぐに日常生活に戻ることができるケースが一般的です。医師としっかり相談しながら、自身に合った方法で受けることが安心につながります。